プラス1フォーカス「ECO」今 地球のためにできること

中京テレビ ニュースプラス1 19時39分~
シリーズ「プラス1 フォーカス」
2005年3月21日(月)から24日(木)まで4日間連続放映
3月25日開幕の愛知万博「愛・地球博」関連シリーズ
 

猛暑、台風、集中豪雨、地震、暖冬…異変続きの地球。今、どうして?
私達人類が行ってきた「環境破壊」が、原因となっているのではないか。
では今、私達が出来る事は何か?
「愛・地球博」は地球環境を取り巻く様々な問題の解決策をグローバルに考える「環境博」として、各国からの様々なテーマが提示されます。来場者が事前に環境問題のリポートを見る事によって、環境問題を考えるきっかけとなり、地球博を意味あるものにしよう-これが今回の取材「ECO」の主旨であると伺いました。

取材クルーは2月28日にフライブルク市ヘ到着しました。例年では、もうすっかり春めいた様相のはず、3月のカレンダー写真にも、萌黄の新緑の下、土の見える河岸の土手を散歩するフライブルク風景があるのに、今年はいまだに白一色の雪の中で取材が始まりました。(確かにこれも異常気象と思ってしまいます。)幸い雪に降り込められる事も無く4日間連続のシリーズに対する4つのテーマ取材が一週間に渡って行なわれました。

フライブルクで取材された4つのテーマは、森林被害とそれを守る人々(シュヴァルツヴァルトの例)。CO2削減に向かう意識として環境定期券、カーシェアリング利用などの交通事情。化石燃料に代わる新エネルギーを導入するソーラー都市としての動き。ゴミを出さない意識の例として、サッカー場のリユ-スコップ使用の様子などでしたが、これらの内容は、それぞれのテーマの日本での状況や、万博で実際見る事の出来る環境を考慮した会場風景などと絡み合いながら報道されるとのことです。
この取材のコーディネート、ご案内、通訳の為に全行程を同行させていただきました。

雪の積もる森の中では、30年前、黒い森の樹木枯死が深刻化した当時から、そして70歳を過ぎた現在も、森を守る為に活動されている方から伺ったお話、綿々と続いてきた、人間の歴史とそれに伴う森の破壊の歴史の物語は、周囲の白く静かに、冷たく張り詰めた空気の中で、語る人の森に対する意識や思いが大変印象的に伝わってきました。このような方の存在が、現在の森林管理対策に重要な影響と指針を与えていると、改めて確認致しました。


ソーラーエネルギー利用の場所として紹介されたソーラーシードルングは、エネルギーロスを押さえる集合住宅です。其処にお住まいの方々とのインタビューをお手伝いしました。始めはもちろん、このエネルギー費節約型住居というコンセプトに興味を持ち、賛同して入居された方々ですが、今ここに住んで気に入っているのはと、お話下さった事は、住居に設備されているエネルギー対策の様々な方法以上に、密接な隣人、近所との交流ということでした。

確かに家々の正面玄関であるドアはガラス張り、南に面した大きなガラス戸からは、太陽ばかりではなく近隣の人々の動向も飛び込んできます。家々の間に、垣根のような遮断する物はまったくありません。その様な環境の中で、まず子供達が多くの同士を得て活発になり、その様子を見ては親も幸せになり、幸せな親同士の交流も円滑に進行する状況が充分想像できます。-それに家の中のふんだんに木を使った内装は人間の心にも、感覚的にも暖さを感じさせてくれます-。と、住人はこのエネルギーコンセプトの集合住宅を大変気に入っている様子でした。

今回の取材が何故フライブルク市か?という理由として、ソーラー、エネルギー(風力やバイオ)などの化石エネルギーに替わる再生エネルギーの導入の動きが、現在非常に早く市民意識や政策の反映が分かりやすい事と提案致しました。特にソーラーエネルギーは、売電投資会社が具体的なエネルギー経済システムを提供しており、市民の再生可のエネルギー導入をスピードアップしています。このような現在の加速度が加わった動きは、やはり30年前に遡って歴史を辿る事の出来る市政として、住民としての環境意識の積み重ねに裏打ちされていると思います。

今回ご紹介したのは取材にまつわる2つのエピソードだけですが、森を守る意識、エネルギーを意識した住まいの中で、更に人間回帰へと向かった環境意識が積み重ねられていくことを再確認する機会となりました。
 

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